初恋の絵本
「ねえねえ。心実のネイル可愛いね」
「ありがと」
てへてへってなる。
私、可愛いものが大好きだ。
最近はネイルと香水に
ハマってた。
特に香水。
スプレーじゃない、
シロップ状のとろりとした香水。
すごく安いけど、可愛いんだ。
「よかったら、放課後買いに行く?」
ワクワクしながらみんなを誘う。
でも結果は、
「ごめん。私達、サッカー部の練習試合行くの」
さっきまでのテンションが、
一気に落ちてしまう。
「心実も一緒に行かない?」
「でも私、スポーツほとんどルール分からないの」
「え?授業であれだけの活躍してたのに?」
「ね!特にバレーボールがすごかった」
「その場のノリでなんとか」
「ええー!すごく真剣だったよね⁉︎」
「やればできる子なんだよ」
「なにそれ〜」
そんな適当な性格の私に、
笑顔でいてくれるみんなが好きだ。
もうちょいみんなと居たくなったから。
勧められるがまま、
私はサッカー部の試合を
見に行くことに決めた。