初恋の絵本


ღ .:*・゜♡゜・*:.ღ .:*・゜♡゜・*:.ღ .:*


「心実!彼氏できそうってホント⁉︎」

「えー。そうなんだ。どんな人?」

「ハルだって。晴川彼方」

「ハルカワカナタが心実のこと好きみたいなんだって!」

「ああ。それで……」



朝からその話題でもちきりだ。

みんなと話すのは楽しいけど、
ハルの話題をする気分じゃない。

別にしたっていいんだけど。



「どうなの?ハルが告ってきたらどうするの?」

「もちろん付き合うよねー」

「う〜ん。その時になってみないと分からない」

「でも、サッカー部って荒れっぽいし、大丈夫?心実預けるの不安かも」

「それは大丈夫。心実、青山くんと友達だし」

「はー?青山くんとか。あの人、カッコいいけど怖いよね」

「彰吾は怖くないよ」

「ほら」

「ああうん。大丈夫みたいだね」

「まあね。それにハル本人が篠原さんを選んだなら、誰も文句は言えないでしょ」

「言えない言えない。晴川、すごい気が強いから。心実になんかしたら怒りそう!」

「それはそれで怖いねー!」

あはははと笑うみんなの中心にいる私。

いつもだったら楽しいのに。

困ってしまう。



『好き』の話は難しい。

そう感じる。



< 42 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop