初恋の絵本
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「心実!彼氏できそうってホント⁉︎」
「えー。そうなんだ。どんな人?」
「ハルだって。晴川彼方」
「ハルカワカナタが心実のこと好きみたいなんだって!」
「ああ。それで……」
朝からその話題でもちきりだ。
みんなと話すのは楽しいけど、
ハルの話題をする気分じゃない。
別にしたっていいんだけど。
「どうなの?ハルが告ってきたらどうするの?」
「もちろん付き合うよねー」
「う〜ん。その時になってみないと分からない」
「でも、サッカー部って荒れっぽいし、大丈夫?心実預けるの不安かも」
「それは大丈夫。心実、青山くんと友達だし」
「はー?青山くんとか。あの人、カッコいいけど怖いよね」
「彰吾は怖くないよ」
「ほら」
「ああうん。大丈夫みたいだね」
「まあね。それにハル本人が篠原さんを選んだなら、誰も文句は言えないでしょ」
「言えない言えない。晴川、すごい気が強いから。心実になんかしたら怒りそう!」
「それはそれで怖いねー!」
あはははと笑うみんなの中心にいる私。
いつもだったら楽しいのに。
困ってしまう。
『好き』の話は難しい。
そう感じる。