初恋の絵本
「時期的にいいかもね。ハル狙いの女、そこまでアピってないし」
「第二期告白期が来る前に、付き合っちゃえば?」
クラスメイト達の会話を
曖昧に笑ってかわす。
なんて言っていいか分からない。
お昼休みもハルの話題しかなかったから、ご飯を食べて直ぐに、
こっそり人気のない廊下へ逃げ出した。
「よ!」
廊下の窓際でウトウトしていると、
後ろから突然声をかけられた。
誰だろう?
緩慢な動作で振り向く。
「……あ」