初恋の絵本
でもそれから程なくして、ママは死んでしまった。
ママのお葬式で「ハル」とは一回だけ会ったことがあった。
その時、泣きじゃくる私にある男の子が
『大丈夫だよ。だから、泣かないで』
と優しい笑顔で言ってくれた。
「ハル」と呼ばれ私の元から離れていった男の子。
ああ、あれが「ハル」か。
「ハル」との会話はたった一つ。
今も朧気な「ハル」の笑顔が優しくて
胸に突き刺さって、痛むんだ。
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