初恋の絵本

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メールは嫌い。

だって、その人の気持ちが分からない。

どう感じてるか分からないから
時々怖くなる。




「心実。メアド教えて」

「いいけど。私。メール返さなくて有名だよ」

「なんだよ。メールしてよ」

「返してるんだよ、心の中で。メール読んで。そっか了解です。って」

「いや。返さないと分からないし」

「じゃ。直接会ったときにでも」

「緊急時はどうすんだ！」

「その時はちゃんと返信するよ」

「普段から返信しろ」



ハルが私の頭をくしゃくしゃ撫でる。

ひどい。せっかく髪巻いたのに。

少しでもハルに可愛いって思われたくて頑張ったのに。



ハルと付き合いだして、
気がつけば1週間。

日に日にハルが好きだなあと思ってることに気がついてから、
私は変わった。

前より女の子らしくなったと思う。



「今日も試合見に来るよな」

「うん」

「そっか」



付き合って一週間経っても、
私が試合観に行くというと
照れながらも嬉しそうに笑ってくれる。



「じゃあ頑張ろうかな」

「いつも頑張ってないの？」

「心実がくるなら、更に頑張れるの」

ハルがニコニコと笑うと、
つられて私も笑顔になれる。




「ハル！」

廊下を走る音が聞こえたかと思うと、
すごい速さで翔くんがこっちにやってきた。