初恋の絵本
幼なじみの本音
「彰吾くーん。あーそーぼー!」
もはや日課になってきている。
彰吾の部屋に行って、
無反応なのにインターホンを鳴らす。
出ない。
分かってるよ。
それでも、3回鳴らす。
もちろん、メールも電話もシカトされている。
「……帰ろっ」
彰吾とは小さな喧嘩はよくした。
けれどここまで長いのは初めて。
大抵、どちらかが折れて
長引いたことはない。
私が悪いなら、いくらでも謝る。
でも。
「…顔も見せてくれないんじゃ、謝りようがないよ……」
彰吾は私に会おうとしてくれない。
これ以上先に進めない。、
もしかしたら、ごめんなって。
彰吾らしくサバサバした言い方で、
扉を開けてくれるかもしてないって
期待してた。
「仕方ないか」
自分に言い聞かせるように呟いて、
回れ右して自分の家に向かった。