初恋の絵本
本当に海に来た私とハル。
もう、太陽は落ちてかわりに
月が出ていた。
浜辺に二人で並んで寝っころがる。
都会ではないけど、
田舎でもない私たちの街。
星は見えるけど、
こんなに見えたことない。
夜空を見上げるハルの横顔は
やっぱりカッコいい。
でも。
「ハル?哀しいの?」
「なんで?」
「哀しそうだから」
「デートで哀しそうとか言われる俺って」
「なら、楽しい?」
「楽しいよ」
「よかった」
「心実は、楽しい?」
「楽しいよ」
「よかった」
夜の海はもてもくらい。
でも、空から降り注ぐ
月の淡い光がとても好き。