初恋の絵本
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昨日は遅くまでハルと
いたから寝不足だった。
ふわあ、と。
あくびをしていたら、
隣でコーラを飲んでいた
ハルに見られてしまった。
「心実。眠そうだな」
「だって。仕方ないじゃん。昨日は海行ったでしょ?あの後お風呂入ったりしたから、寝るのが遅かったの」
「海?誰と?」
「え?」
誰とって。
ハルとに決まってるじゃん。
「まさか。青山とじゃねえだろうな」
「なんで、彰吾?」
「違うなら、いいけど……」
それは演技?
何気うちらの会話、
立ち聞きされてるけど。
「遊ぶのは勝手だけど。最近試合も見に来てるれないし。なんか嫌だ」
試合を観に行かないのは、
ハルといるからだよ。
私、サッカーをしているハルを
好きなんじゃなくて。
ハルが好きなんだよ。
「うわ。束縛彼氏最低」
立ち込める違和感を拭ってくれたのは
翔くんだった。
「は?別に束縛してねえし」
「自覚ないとか。かなり重症」
「うるせえ」
「そりゃ、心実ちゃんだって試合来たがらないよねえ」
「そ、そんなことはないよ」
「じゃあ。今日の試合見に来いよ!」
「うん……」
「よしゃ!」
「ハル。あからさまにテンション上がってるね……」
「黙れ翔」
「いたたたた!」
なんでたろう。
ハルから試合に誘われたのに。
私、ちっとも嬉しくない。
サッカーの試合より。
放課後は、彰吾の家に行って、
ハルと過ごしていたい。