初恋の絵本
深々と頭を下げた後、
顔を上げると。
目の前には制服姿の彰吾がいた。
「心実!待ってくれ!」
久しぶりに彰吾と会って
呆然としていると。
ハルに追いつかれてしまった。
「青山……?」
「……謝れ」
「…は?」
「心実に謝れ」
彰吾の広い背中が、
私の視界からハルを隠す。
「なんで、お前に命令されなきゃいけねえんだよ!」
「友達だからだ」
友達。
友達………。
私のこと、………
彰吾の友達って、思ってくれてる?
また友達に戻ってくれる………?
「こいつは、俺の大切な友達だ」
ぽろっと、私の目から涙が零れた。
「………彰吾………」
彰吾の言葉に
胸が熱くなる。
心のどこかで少しでもいいから、
私のこと友達って思っててくれて
すごくすごく嬉しい。
もう二度も友達に戻れないかも
って覚悟してた。