初恋の絵本
「あ〜。いたーっ!会話の途中でいきなりいなくなるってどうなんですかあ?琥珀が悪者みたいじゃないですかあ?」
「悪者だろ」
彰吾が琥珀ちゃんを見て
吐き捨てるように言った。
「え?ヤダッ!誰⁉︎きゃああ!ヤバいヤバい!超カッコいいっ!芸能人みたいっ!ねえねえ、名前なんて言うんですかあ〜?」
「うっせんだよ!いいから、ハンカチを、心実に返せ」
「えー!また心実さんですかあ?もしかして心実さんの元カレぇ?心実さんって本当イケメンがすきなんですね〜☆」
「いいから返せっつってんだよブス!」
琥珀ちゃんが手に持っていたハンカチを
彰吾が強引に奪い取る。
「ひ、ひどぉおおおおい〜〜!うわぁあああんっ!!」
大声で泣き始めた琥珀ちゃんを
むしして、
彰吾は私にハンカチを返してくれた。
「ほら」
「ありがと、彰吾」
戻ってこないと思ってた
ハンカチを握りしめる。、