初恋の絵本
「ちょっと。心実大丈夫?」
「妃ちゃん、茉桜ちゃん」
「ハル、怖くなかった?なんか言われなの?もしかして、昨日のこと?」
「……うん」
席に着くなり、
妃ちゃんと茉桜ちゃんが
声をかけてくれた。
「あれはないよね〜」
「そうだよ!いくら琥珀のが付き合い長いからって、彼女優先しろよ!って感じ」
どうやら、妃ちゃんはご立腹な
ようだ。
「…………」
「ちょっと距離。置いてみたら?」
「距離を?」
「うん。ハル、冷静じゃないよね。頭を冷やせば元に戻るんじゃない?」
「元に戻る……」
「とりあえず、しばらく練習見にいくのやめたら?あ、昼休みも」
「茉桜ちゃんありがとう、参考にする」
そうだな。
しばらく、ハルから離れてみるのも
いいかもしれない。