初恋の絵本
考えているとあっという間に
昼休み。
いつもならハルに会いに行っている。
けど、教室でみんなと
お昼をのんびり食べている。
「ねえ、妃ちゃん」
「なに〜?」
「怒ってる彼氏と優しい彼氏。どっちと一緒にいたい?」
「それはもちろん優しい時でしょ」
「だよねえ」
「ハルのこと?大丈夫。ハルは心実にベタ惚れだから。茉桜の言ってたみたいにヤバいって思ってたら態度変わるって」
「……うん」
やっぱり、気分の問題なのかな。
こんな時、
彰吾ならなんと言うのだろう。
彰吾と一緒にいた時は、
これといった悩みはなかった。
悩んでることがあっても、
夕食の時に彰吾に話してしまう。
彰吾は頭がいいから、
大抵のことはアドバイスをくれたり
解決してくれた。
会いたい。
会いたいよ。彰吾。
会えないのはわかってる。
ハルには悪いけど、
私は彰吾が大切。大事。好き。