イセモノガタリ
「っ?!」

びくりと肩を震わせると、そこに居たのは黒い肌をした何者か。

顔の成りや体つきだけを見れば、青年といった位であろうか。

しかし、青年は当時の男としては考えられない程に、細く締まった体をしていた。

ぎらりと鋭い眼光、そして何よりその威圧感に、男の喉は凍り付く。

「だ…だれ、だ…お前」

ようやくそれだけの言葉を絞り出した男。

すると、謎の相手は不愉快げに眉を潜めた。

「勝手に我の家に入ってきて

『誰だお前』

だと?この非常識め」

「い…え?」

ぽかんと口を開けた男に、黒の青年は尊大に言う。
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