イセモノガタリ
“女”目線
「姫……姫!」
蔀の向こうから見知った男の声がする。
長年に渡り求婚されている人で、家柄も容姿も申し分無い方。
…そうではあるのだが…
正直、あまり気の乗らない相手。
彼は一般的に言う遊び人、つまりプレイボーイだったのだ。
当時の身分が高い男性としては当たり前の事ではあるのだが。
姫にはそれが我慢できない、というか納得できなかった。
「…私も…沢山の女性の中の一人になってしまうの…?」
そう呟く日もあった。
とはいえ、相手は天皇の孫。
自分は今の天皇の后となることが決まっている身だ。
たまに家のものの目を盗んで内密に会うだけ。
そんな関係がずっと続くのだと思っていた。
…のに。
蔀の向こうから見知った男の声がする。
長年に渡り求婚されている人で、家柄も容姿も申し分無い方。
…そうではあるのだが…
正直、あまり気の乗らない相手。
彼は一般的に言う遊び人、つまりプレイボーイだったのだ。
当時の身分が高い男性としては当たり前の事ではあるのだが。
姫にはそれが我慢できない、というか納得できなかった。
「…私も…沢山の女性の中の一人になってしまうの…?」
そう呟く日もあった。
とはいえ、相手は天皇の孫。
自分は今の天皇の后となることが決まっている身だ。
たまに家のものの目を盗んで内密に会うだけ。
そんな関係がずっと続くのだと思っていた。
…のに。