イセモノガタリ
「……はい」
小さく返事をする。
男の驚く雰囲気が伝わってきた。
「本当か?!」
「ええ」
「やった!」
男が喜んでいるのは、姫が付いていくと言ったからだ。
ここを抜け出し、男と一緒に行くというのは、つまり。
深く考えると気が滅入りそう。
姫は溜め息を押し殺すと頭を振った。
この狭い世界に居ても、私は結局誰か知らないひとに嫁ぐだけ。
それなら、せめて少しでも。
自由に。
小さく返事をする。
男の驚く雰囲気が伝わってきた。
「本当か?!」
「ええ」
「やった!」
男が喜んでいるのは、姫が付いていくと言ったからだ。
ここを抜け出し、男と一緒に行くというのは、つまり。
深く考えると気が滅入りそう。
姫は溜め息を押し殺すと頭を振った。
この狭い世界に居ても、私は結局誰か知らないひとに嫁ぐだけ。
それなら、せめて少しでも。
自由に。