黒少女
私は目の前の大きな門を見た。
(ここが…今日から、私が通う学校…)
「………」
ザザァっと少し風が吹き身震いした。
まだ少し肌寒い春…
私はこの学園にやってきた。
(ん~私がこんな有名な学校かよっていいのかなぁ)
「……貴女が、レイラ様ですね。」
「…っ!?」
驚いて振り向いた…
(!!この人…いつの間に…)
そこには男の人が立っていた…
「あぁ、驚かせてしまいましたか?申し訳ありません。」
男の人は丁寧な口調で軽く頭を下げて謝った。
私は警戒しながらも様子を伺っていた…
「……はぁ。(制服を着てるってことは、この学校の生徒なのかしら)」
私は曖昧な返事をすると、男の人が微笑み口を開いた。
「私は、理事長からレイラ様を案内するようにと言われて来ました。ロベルト=ロバートと申します。」
「あっ!!、そうなんですか。私はノエルです!ノエル=ブライアン、よろしくお願いします。」
一応警戒心を緩めずに、自己紹介をしてから私はニコリと微笑む。
「はい………では、参りましょう。」
「(ん?今の間は何?)はい。」
そう言ってラバートさんは右手をヒラリと門の方へ向け「こちらへ」と案内してくれた。