意地悪くんと×××
これから一緒に住むことになるっていうことは、好きだと伝えることが難しくなる。

伝えてふられたら?
一緒に住んでいられるのか?
そばにいれなくなるより言わずにそばで咲を見ていたい。

「…龍吾、ご飯何がいい?私作るから…。」

「じゃあ〜…ハヤシライス!」

「ハヤシライス?カレーじゃなくて?」

「カレーじゃなくてハヤシライスの方が好き。」

「お〜、私もなんだよねっハヤシライスの方が甘くて美味しいよね」

そう言ってハヤシライスを作り始めた咲を見て材料があるか不安になった俺は咲に確認してもらった。

「あるよ〜っ」

咲が料理しているところを見ていると眠くなり、俺はソファーで寝てしまった。

「…ご〜?起きてっ、龍吾!」

「…咲?咲だっ」

ーグイッー

「ひゃっ」

咲の腕を引っ張って寄せると俺を涙目の赤い顔で見上げた。

だめだ…

糸が切れたように俺は咲の綺麗な唇にキスを落とした。

「…龍吾…?なんでキスしたの…っ」

「…反則なんだよ…咲、俺…好きだ…」

「…何言ってんの…龍吾はちゃんと好きな人がいるでしょ!?」

「咲のことが…好きなんだよ、気づけよばか。」

「…え??嘘…なの?」

もう、俺の反則負けでいいや。
俺は何も言わずに咲にキスをして咲の目から零れた涙を拭いた。

そして、咲は「私も好き。」と言った。

なんだよ、最初から告ってればもっとはやく付き合ってたのか?
まぁいいか。
可愛い咲は俺だけのもんだ。
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