意地悪くんと×××
今日の学校ももう終わる頃、私は1人でロッカーに教科書を置きに来ていた。

「咲ちゃん」

「…詩音ちゃん。」

私の前に立って私を見下ろす目はとても冷たかった。
なんで私はあなたにそこまで嫌われたんだろう。

私は何をしたんだろう

「ねぇ?咲ちゃんってさ藤道くんと付き合ってるんだったよね〜…でも、さっき藤道くんに告白した女の子と科学室行くの見たけどいいの〜?」

え…?
告白…??

龍吾が2人で??

私は科学室に走った。
扉の向こう側で話している声が聞こえる

「藤道くん…抱きしめて欲しいの…」

やめて…
触らないで…っ

扉の隙間から見える2人。
重なる体。

龍吾はその子を抱きしめたんだ。

あぁ…好きなやつってその子だったなんだね…。

嘘だったんだ…

好きって言ってくれたのに…っ
ーポタッー

床に落ちた涙は龍吾への気持ちが溢れた証だった。

「咲ちゃん、藤道くんと別れたら?藤道くんはあの子のこと好きなんじゃない?可哀想だよね咲ちゃんに縛られてる藤道くん。」

詩音ちゃんはそう言うとどこかに行った。

そうだよね…

龍吾の邪魔してばかり。
龍吾?
私は龍吾の前から消えた方がいいよね。

私はそのまま教室から鞄を持って走って龍吾の家に行った。
全部荷物もつめて、手紙を書いた。

『龍吾へ
邪魔してごめんなさい。
好きな人と幸せになってね
咲より』

ばいばい…龍吾。
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