~これが私の生きる意味~
するとお母さんは、お父さんという言葉にピクリと反応し、ピタリと足を止め私へと視線を向けた。
絡み合う視線。
お母さんは相変わらず虚ろだったが、久しぶりにその瞳に私を映してくれ嬉しく思ったんだ。
『……誕生日……おめでとう…』
この言葉は伝えたかった。お父さんの気持ちも詰まっているこのプレゼントは絶対渡したかった。
なのに…
「……い、いらないわよ!!そんなの!!そんなのより慧くん返してよ!!」
プレゼントを渡そうと差し出したのだが、その手を、そしてプレゼントを、ペシリと払いのけられてしまったんだ。