赤い流れ星3




「あぁ、おいしかった!
やっぱり、ここのケーキは最高だね!
三つはちょっと食べ過ぎだったかな。
ね……まだ早いし、腹ごなしにちょっとそのあたりをぶらぶらしていく?」

「そうですね。」

美幸さんがお腹がすいたとおっしゃるので、少し早めに出て来たから、食事が済んでもまだそう遅い時間ではなく、商店街にはたくさんの人々が行き交っている。
私は、やはりまだ気分はもやもやとしていて……出来る事ならお酒でも飲みたいような気分だったけど、美幸さんも私も残念ながらお酒には弱い。
こういう時、お酒が飲める人は良いなって羨ましく思う。
そうだ…飲めないのは仕方ないとしても、このあたりをただぶらぶらするよりはカラオケの方が発散出来るかもしれない。
美幸さんもカラオケはお好きなようだし、きっと付き合ってくださるだろう。



「美幸さん…あの、もしよ…」



「美幸!野々村さーん!」



私が美幸さんに声をかけようとしたまさにその時、私達は大きな声で名前を呼ばれ、振り返るとそこにはにこやかな顔で手を振るKEN-Gさんがいらっしゃった。



「おじいさん…!」

おじいさんは小走りでみるみるうちに私達の傍へ来られた。



「おぉ~、なんたる奇遇…
こんな所で出会うとは…」

「おじいさん、昨日はどうもありがとう。
今日はお買い物かなにか?」

「いや、今日もちょっと仕事の関係でついさっきまで人と会うとってな。
やっと解放されて帰るところじゃったんじゃ。
……美幸達は買い物か?」

KEN-Gさんは美幸さんの顔を見て、とても嬉しそうににこにこされていた。



「そういうわけじゃないんだけど、晩御飯を一緒に食べて、まだ早いからちょっとぶらぶらしようかって…」

「そうじゃったか…立ち話もなんじゃし、とりあえず、そこらでお茶でも飲まんか?
それとも、カラオケでも行くかな?」

「あ!それ、良いね!
カラオケ行こうよ!」



KEN-Gさんが私の言おうとしていたことを言って下さった。
美幸さんも乗り気のようだし、KEN-Gさんが来て下さったら二人よりもなおさら盛りあがりそう!
私は、KEN-Gさんとの偶然の出会いに心の中で感謝した。
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