赤い流れ星3
「ここの9階じゃ…」
まだ新しい立派なビルの最上階にそのお店はあった。
店名は…イタリア語かしら?ル…
「野々村さん、エレベーターが来たぞ。」
「は、はいっ!」
エレベーターの中にも毛足の長い絨毯が敷いてある。
きっと高級なお店なんだろう…
「いらっしゃいませ。ようこそ、ルーチェへ!」
「わっっ!」
「おわっ!」
エレベーターが開くなり、若いイケメンが通路にずらりと並んで私達を出迎えてくれたから、私と美幸さんは同時におかしな声を上げてしまった。
まさか、こんな歓迎を受けるとは思ってなかっただけに、一気に緊張が高まって…
美幸さんが不安そうな視線で私をみつめられたから、私は作り笑いを浮かべて大きく頷いた。
「大丈夫です。
どこでも、こんな感じですよ。」
美幸さんを安心させるため、美幸さんの耳元で私はそんな嘘を吐いて余裕を見せた。
声が震えないようにと気をつけながら…
真っ赤なふかふかの絨毯が店まで続き、壁には赤い薔薇と天使が描かれていて、なんだか中世ヨーロッパを感じさせる雰囲気で店に辿り着く前に圧倒されてしまいそう。
イケメンが両側から扉を開くと、店の中はまさにお城のようだった。
細かい細工のされた丸い柱に大きなシャンデリア、至る所に飾られた天使や女神の像…イタリアの古城のイメージだ。
お酒のにおいに混じって、香水のような花の香りのようなものが漂っていて、この手のお店には珍しくクラシックが流れていた。
大仰で華美だけど下品ではなく、とても個性的でアーティスティックな雰囲気で…こういうのが好きな人にはたまらない場所だろうなと思った。
その時、店の奥から長身な男性がゆっくりと近付き…
私の傍にいたKEN-Gさんの動きがぴたりと停まった。
「……シュウ…」
KENーGさんの口から小さな声が漏れるのと同時に、その瞳にはうるうると涙が溜まって…
明らかに、KEN-Gさんの様子がおかしい。
でも、なぜ……
近付いてきた男性は、三十前後に見えるイケメンだった。
きっと、好みに関わらず、誰もが認める整った顔立ち。
視線はするどくセクシーさもあって、センスの良いスーツを完璧に着こなしている。
「大河内さん、初めまして。
お忙しい中、お越しいただいて光栄です。
ルーチェの責任者、神咲愁斗と申します。
どうぞよろしくお願いします。」
「ええーーっ!」
「ええーーっ!」
店には酷く不釣合いな…素っ頓狂な私と美幸さんの声が店内に響き渡った。
まだ新しい立派なビルの最上階にそのお店はあった。
店名は…イタリア語かしら?ル…
「野々村さん、エレベーターが来たぞ。」
「は、はいっ!」
エレベーターの中にも毛足の長い絨毯が敷いてある。
きっと高級なお店なんだろう…
「いらっしゃいませ。ようこそ、ルーチェへ!」
「わっっ!」
「おわっ!」
エレベーターが開くなり、若いイケメンが通路にずらりと並んで私達を出迎えてくれたから、私と美幸さんは同時におかしな声を上げてしまった。
まさか、こんな歓迎を受けるとは思ってなかっただけに、一気に緊張が高まって…
美幸さんが不安そうな視線で私をみつめられたから、私は作り笑いを浮かべて大きく頷いた。
「大丈夫です。
どこでも、こんな感じですよ。」
美幸さんを安心させるため、美幸さんの耳元で私はそんな嘘を吐いて余裕を見せた。
声が震えないようにと気をつけながら…
真っ赤なふかふかの絨毯が店まで続き、壁には赤い薔薇と天使が描かれていて、なんだか中世ヨーロッパを感じさせる雰囲気で店に辿り着く前に圧倒されてしまいそう。
イケメンが両側から扉を開くと、店の中はまさにお城のようだった。
細かい細工のされた丸い柱に大きなシャンデリア、至る所に飾られた天使や女神の像…イタリアの古城のイメージだ。
お酒のにおいに混じって、香水のような花の香りのようなものが漂っていて、この手のお店には珍しくクラシックが流れていた。
大仰で華美だけど下品ではなく、とても個性的でアーティスティックな雰囲気で…こういうのが好きな人にはたまらない場所だろうなと思った。
その時、店の奥から長身な男性がゆっくりと近付き…
私の傍にいたKEN-Gさんの動きがぴたりと停まった。
「……シュウ…」
KENーGさんの口から小さな声が漏れるのと同時に、その瞳にはうるうると涙が溜まって…
明らかに、KEN-Gさんの様子がおかしい。
でも、なぜ……
近付いてきた男性は、三十前後に見えるイケメンだった。
きっと、好みに関わらず、誰もが認める整った顔立ち。
視線はするどくセクシーさもあって、センスの良いスーツを完璧に着こなしている。
「大河内さん、初めまして。
お忙しい中、お越しいただいて光栄です。
ルーチェの責任者、神咲愁斗と申します。
どうぞよろしくお願いします。」
「ええーーっ!」
「ええーーっ!」
店には酷く不釣合いな…素っ頓狂な私と美幸さんの声が店内に響き渡った。