赤い流れ星3
そうだ!どうせ眠れないのなら、美幸さんにメールでもしようかしら?
これからは、KEN-Gさんと力を合わせて美幸さんとシュウさんがうまくいくようにしていくわけだけど、そのためにはやはりシュウさんのお店によく行く事が一番のような気がする。
それと、美幸さんの気持ちのようなものも常に探っておかないと……



そう思い、ベッドから起きあがろうとした時、メールの着信を知らせるメロディが響いた。
見てみると、それは美幸さんからのものだった。
まるで私の想いが通じたみたい…

美幸さんからのメールの内容は、昨日、美幸さんが帰られてからKENーGさんとお話が出来たか?とか、青木さんと最近何かあったか?という質問だった。



なぜだろう?なぜ、美幸さんはそんなことを気にされてるんだろう?
まさか、美幸さんがKEN-Gさんの正体をご存知の筈はないし、青木さんとはこれといって思い当たるようなことは何もない。
おかしいなと思いながら、私は、昨夜はあの後、KEN-Gさんとは少し話をしただけですぐに帰ったと嘘を吐いた。
これからはKEN-Gさんと協力することは多くなるだろうけど、そのことを美幸さんには出来るだけ知られたくなかったから。
シュウさんと美幸さんには、私達が裏で画策していることを知られたくない。
そんなことには気付かれずに、ごく自然な形で昔のような関係になってほしいと思ってる。
それはともかく、青木さんのことについては、私の方が気になってしまった。
こちらには何も思い当たることはなくても、もしかしたら、気付かないうちに私がへまをやって、青木さんが気分を害されて、美幸さんに愚痴のようなことを言われたのかもしれない。
だから、そのことについては私の方から質問を返した。

美幸さんからの返信はすぐに来た。
なぜだかわからないけど、KEN-Gさんとすぐに別れたことを酷く残念がられていて、肝心の青木さんのことについては、「なんでもない」という素っ気無いものだった。

私としてはもっと突っ込んでお訊きたかったのだけど、なんでもないとおっしゃるのなら本当にたいした事ではないのかもしれない。
少し気にはかかるけど、今日はこのままにしておこう。
私は、美幸さんがシュウさんのことをどう思われてるのかを、それとなく探ってみることにした。
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