赤い流れ星3
side 野々村美咲
*
(ど、どういうこと……!?
青木さんは、なぜあんなことを……)
信じられない想いだった。
まさか本気じゃないと思うけど、青木さんがあんなことをおっしゃるなんて……
「それは残念だなぁ…
野々村さんに好きな方がいらっしゃらないなら、俺が立候補しようかと思ってたのに……」
さっきの青木さんの言葉が、頭の中をぐるぐる回る。
「美幸、タカミーにコーヒーをいれてやってくれ。
出来るだけ濃いやつをな…!」
タカミーさんがトイレに立たれた時、青木さんが小声でそう言われた。
「あ、美幸…わしも頼む。」
「うん。わかった。」
「あ、私もお手伝いします。」
私も美幸さんと一緒に台所へ向かった。
青木さんの言葉がなかなか頭から離れなくて、なんだかとても恥ずかしくてその場に居辛かったから…
「ねぇ、タカミーってこの前とすごく雰囲気が違うと思わない?
あっち系の人だってことは聞いてたけど、この前はあれほど女言葉じゃなかったよね。」
やかんを火にかけ、私達は台所の椅子に腰掛けた。
「多分、お店では先生って立場もおありでしょうし、今日はお酒も飲まれてるからじゃないですか?」
「あぁ…なるほどね。
でもさ、タカミーが兄さんのこと好きだって…あれ、本気なのかな?」
「さ、さぁ……どうでしょう?」
「もしタカミーが本気だったとしても、兄さんはその気はないんだよ?
あんなに女好きなんだから。
でも、それが急に変わったりするってことなんてあるのかな?
男に目覚めるなんてことが……」
「さ、さぁ…?」
そんなこと、多分、ないとは思うけど……
でも、絶対にないとも言えない。
タカミーさんと青木さんの並ばれた様子は、若い女の子がキャーキャー言いそうなちょっとあやしい雰囲気に見えないこともない。
なんせ二人共美形だし、体格も良くて、BLのキャラクターとしてはぴったりで……
(不思議だわ…青木さんが女の人と仲良くされてるのを見ると辛いのに、タカミーさんとだとなんだかほほえましくさえ思える…
……あ、そういえば……)
「あ、あの…美幸さん…」
「何?」
「あの……そ、そういえば…今日は青木さんの彼女さんが来られるってお話だったのでは?」
「あぁ、あれ…なんだか仕事で来られなくなったんだって。」
「そうだったんですか……」
やっぱり聞かなきゃ良かった…こんなこと。
聞いた途端に、私はなんだか急に気が滅入るのを感じた。
(ど、どういうこと……!?
青木さんは、なぜあんなことを……)
信じられない想いだった。
まさか本気じゃないと思うけど、青木さんがあんなことをおっしゃるなんて……
「それは残念だなぁ…
野々村さんに好きな方がいらっしゃらないなら、俺が立候補しようかと思ってたのに……」
さっきの青木さんの言葉が、頭の中をぐるぐる回る。
「美幸、タカミーにコーヒーをいれてやってくれ。
出来るだけ濃いやつをな…!」
タカミーさんがトイレに立たれた時、青木さんが小声でそう言われた。
「あ、美幸…わしも頼む。」
「うん。わかった。」
「あ、私もお手伝いします。」
私も美幸さんと一緒に台所へ向かった。
青木さんの言葉がなかなか頭から離れなくて、なんだかとても恥ずかしくてその場に居辛かったから…
「ねぇ、タカミーってこの前とすごく雰囲気が違うと思わない?
あっち系の人だってことは聞いてたけど、この前はあれほど女言葉じゃなかったよね。」
やかんを火にかけ、私達は台所の椅子に腰掛けた。
「多分、お店では先生って立場もおありでしょうし、今日はお酒も飲まれてるからじゃないですか?」
「あぁ…なるほどね。
でもさ、タカミーが兄さんのこと好きだって…あれ、本気なのかな?」
「さ、さぁ……どうでしょう?」
「もしタカミーが本気だったとしても、兄さんはその気はないんだよ?
あんなに女好きなんだから。
でも、それが急に変わったりするってことなんてあるのかな?
男に目覚めるなんてことが……」
「さ、さぁ…?」
そんなこと、多分、ないとは思うけど……
でも、絶対にないとも言えない。
タカミーさんと青木さんの並ばれた様子は、若い女の子がキャーキャー言いそうなちょっとあやしい雰囲気に見えないこともない。
なんせ二人共美形だし、体格も良くて、BLのキャラクターとしてはぴったりで……
(不思議だわ…青木さんが女の人と仲良くされてるのを見ると辛いのに、タカミーさんとだとなんだかほほえましくさえ思える…
……あ、そういえば……)
「あ、あの…美幸さん…」
「何?」
「あの……そ、そういえば…今日は青木さんの彼女さんが来られるってお話だったのでは?」
「あぁ、あれ…なんだか仕事で来られなくなったんだって。」
「そうだったんですか……」
やっぱり聞かなきゃ良かった…こんなこと。
聞いた途端に、私はなんだか急に気が滅入るのを感じた。