赤い流れ星3
(ええっ!?)



まさかとは思うけど、本気でそんなこと考えてらっしゃる?
だって、美幸さんの落胆ぶりはかなり深刻そうで……



(大丈夫ですよ。
そんなこと、絶対起こりませんって!)

(どうして!?
最初はそんな気はなくても、何かの弾みでってことってけっこうあるみたいだよ。
テレビでもそういう話聞いたことあるし……)

(で、でも、青木さんに限ってそんなこと……)

(そんな風になった人の家族は、みな最初はそう思ってるんだよ。)

(そ、それは……)



美幸さんにそんな風に言われると、だんだん私も不安な気分になって来て……



(なんじゃ、なんじゃ。
二人で内緒話なのか?
わしも混ぜておくれ。)



突然、傍に来られたKEN‐Gさんに、私達は口をつぐんだ。



(あー…お邪魔じゃったかのう?)

(そ、そうじゃないんです。
あの…その…あ、次はいつシュウさんのお店に行けるのかしら…なんて…)

私は、KEN-Gさんが気を悪くされないようにと慌てて考え、咄嗟にそんなことを口にしていた。



(なんじゃ、そんなことか。
それなら、いつでも良いぞ。
二人の都合の良い日で……
今週はわしも暇じゃしな。)

(そうなの?
じゃ、近いうちに行こうよ!
遅くとも今週中に…)

美幸さんは意外な程、乗り気で、そう言って身を乗り出された。



(あぁ、ええぞ。
そうしよう。)

(美幸…当日は、タカミーにメイクをしてもらったらどうじゃ?)

(えっ!?私がお化粧?)

(美幸…ここに良い見本がいるじゃないか。
タカミーにメイクしてもらったら、野々村さんの女っぷりがこんなに上がったんじゃぞ。)

(だ、だって…野々村さんはもともとが綺麗なんだし…
その点、私は……)

(そんなことありませんって。
これはすべてタカミーさんのおかげなんですよ。
それに、ほら…私、お鍋食べたのに化粧崩れしてないでしょう?
さすがはプロだって、さっきから実は感心してたんです。)

(そうなんだ~……)

美幸さんは、まじまじと私の顔をみつめながら、ゆっくりと頷かれた。



(じゃあ、これで決まりじゃな。
タカミーにはわしから頼んでおこう。)

(あ、ありがとう……)



はにかむ美幸さんを見て、KEN-Gさんはとても嬉しそうな顔で微笑まれた。
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