赤い流れ星3




(だけど、どうして…?)



アンリさんはタカミーさんにあんな酷い事を言われたのに、青木さんはそれをたしなめることもなく、しかも、アンリさんの後を追われなかった……



(……なぜ?)



いつもの癖でパソコンの前に座った私は、デスクの上の携帯にメールが届いてることに気付いた。
メールの主は、美幸さんだ。
開いてみると、さっきはおかしな雰囲気になって悪かったというお詫びの内容だった。
私は、慌てて返信した。
そんなこと、少しも気にしていないってこと、それから、今日のお礼を打って……
私がお風呂に入ってる間にメールを下さったらしく、すぐに返信しなかったから、美幸さんは私が怒ってると思われていたらしい。
お風呂に入ってたことを返信すると、美幸さんはとても安心された様子で、お風呂に入って来るとメールがあった。



その間に、私は今日の様子を一応簡単に打ち込んでおくことにした。
きっと、そのうち、今日の画像が送られて来るはずだ。
もしも、青木さんがタカミーさんのことを不快に感じられていたら、今日のブログはボツになるかもしれないけれど……
確かにタカミーさんが悪いのだけど、大きな揉め事にはならないでほしい。
多分、大丈夫だとは思うけど……



しばらくすると、またお風呂から上がった美幸さんからメールがあって、今日のことやシュウさんの店に行く時のこと等、他愛ないメールを何度もやりとりした。
アッシュさんはまだ戻って来られず、青木さんはとても機嫌が悪いってことだった。
きっと、青木さんはアンリさんのことを心配されてるんだろう。
あんなことがあったんだもの…気にならないはずがない。
何と返信しようかと考えていると、また美幸さんからメールが来て、アッシュさんが帰って来られたようで、三人が馬鹿笑いをしてる…と、あった。



(馬鹿笑い……?)



何かおかしな気がした。
今日はあんなことがあって、青木さんはついさっきまえご機嫌が悪かったらしいのに、どうして?
……そうか、きっと、アッシュさんが元気のない青木さんを励まそうとして、冗談でもおっしゃったんだ。
とにかく良かった。
少しでも青木さんの気が晴れたなら、それで良い。

それに……ほんの一瞬だったけど、今日はアンリさんを見られて良かった。
青木さんとお似合いの素敵な人で良かった。



私もこれできっと青木さんのことが諦められる……
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