赤い流れ星3
side 野々村美咲




『そうですね。
趣味という共通点があったら、気にかかるものなのかもしれませんね。』

『本当に?
じゃあ、丸々営業ってわけでもないのかな?
ちょっとは私のこと、気にしてくれてるってこと?』

『そうかもしれませんね。』



ファミレスでもさんざん話したけど、家に戻ってからもまた美幸さんからメールがあって、いつの間にかまた純平さんの話になっていた。
美幸さんは純平さんから電話がかかって来たのが余程嬉しかったようだ。
シュウさんのことがあるから、あまり大袈裟には言えないけれど、かといって「そんなのただの営業だ」なんてことも言えない。
実際の所、純平さんがどういうお気持ちで美幸さんに電話をかけられたのかもわからないのだから……
だから、私は当たり障りのないことを返して、ちょっと仕事が忙しいふりをしてメールを打ちきった。
これ以上メールのやりとりをしても、きっと純平さんの話ばかりになってしまうだろうし、純平さんのことばかり話し合ってたら、美幸さんは純平さんのことがますます気にかかってしまいそうだったから。



(美幸さんには、純平さんとじゃなくてシュウさんとうまくいってもらわないと……)



それはともかく、私が気になるのは青木さんのことだった。
もう諦めるって決めたはずなのに、やっぱり気になる。
だって、今朝、青木さんからは先日のタカミーさんの画像が送られて来て、その時のメールはいつもと少しも変わった所はなくて……
あんなことがあったっていうのに、青木さんはタカミーさんのことをなんとも思われていないみたいで、そのことが酷く不思議に感じられた。



(どうしてだろう?
アンリさんはタカミーさんにあんなひどいことを言われたのに……
本当にあんなことは冗談だと思われてるのかしら?)



どうにも納得はいかなかったけど、そんなこと青木さんに聞けるはずもなく、私はなんとももやもやした気持ちを感じてた。


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