赤い流れ星3




「ひかりちゃん、来てくれて本当にありがとう!」

「え…そんな……」

食事が済むと、ジョーさんや純平君が部屋に来た。
純平君は、当然のように私の隣に座ったけど、それってどういうこと?



「今日はどうしちゃったの?
美咲さんもひかりちゃんも、この前とは全然違うじゃない!
素敵過ぎて、すぐにはわからなかったよ。」

ジョーさんまでがそんなことを言うから、私は恥ずかしくて俯くしかなかった。



「あ~ら、そんなことわかんないの?
タカミーマジックに決まってるでしょう?」

まだほんの少ししか飲んでないのに、すでにどこか焦点のはずれた視線でタカミーさんが横から口を挟んだ。



「確かにタカミーの腕は超一流じゃが、二人共、元が良いってことじゃよ。
それはそうと、タカミーよ…ホストクラブは嫌いじゃなかったのか?」

「もうっ!またそんな意地悪を言う!
まぁね…確かにホストクラブは嫌いよ。
こういう店の子達は、お客を金づるとしか思ってないから。
でもね……シュウを見た時、ピーンと来たの。
この人は違うって……
この人は、お客にも誠意を尽くしてくれる男だわ。」

「その通りですよ。
確かにホストクラブっていうのは客商売だけど、金さえ落としてもらえばなんでも良いなんて考えてる奴はうちの店にはいないから。
……信じてもらえるかどうかはわからないけど。」



(え……?)



今、シュウさんが私を見たのは偶然?
……いや、気のせいだよね。
何も特別私に向かって言うようなことじゃないもん。



「わしは信じておるぞ。
おまえさんは芯の通った誠実な男だということは、わかっておる。」

「私もよ~!
そんなの、一目ですぐにわかったわ!」

そう言いながら、タカミーはシュウさんの腕に抱きついた。



「タカミーよ…
和彦さんはどうしたんじゃ?
シュウに乗り換えるのか?」

「こ、こらっ!余計なこと、言うんじゃないわよ!
カズももちろん大好きだけど、シュウも大好きになっちゃったんだから仕方ないじゃない!」

「あ……俺は浮気相手ってことなんだ?」

「ち、違うわ!
どっちも本気なのっ!」



タカミーさん、マジで焦ってる……!?
シュウさんはからかってるだけだろうに、この人、けっこう真面目なのかも……

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