赤い流れ星3




(どうして……?)



ベッドに横になりながら、私はシュウさんからもらった名刺をみつめて困惑してた。



やっぱり前にもらった名刺に書かれていたものとは違う。
ちらっと見ただけだけど、おじいさんが持ってた名刺と同じだったような気もする。
ってことは、やっぱりシュウさんのプライベートのメアドや携帯番号ってこと?
っていうか、住所まで入ってるんですけど……



わけがわからない。
シュウさんが私にこんなものをくれる理由が……

どう考えても、思い当たる理由なんて何もなくて…私の口から大きな溜め息が漏れた。
もうよそう。
考えてもわからない。
とりあえず、明日、野々村さんに相談しよう。



帰りが遅くなったこと、兄さんは良い顔はしなかったけど、食事の後に野々村さんとカラオケに行って、ちょっと羽目をはずしたと言ったら、しつこく怒られるほどでもなかった。
もちろん、あの車のことも全く気付いていなかった。

野々村さんのおかげだよね。
兄さんはけっこう野々村さんを信頼してるみたい。
まさか、その私達がホストクラブに行ってるなんてことがバレたら大変なことになる。
おじいさんにお金を出してもらってることなんて知られたら、もう絶対に行けなくなる。



(そんなのいやだ……)



本気の恋が出来ない相手だって、たまに会って楽しくなるくらい良いじゃない。
今日は、本当に楽しかった。
純平君ともっともっと話したかったな。



(それに、シュウさん……)



あぁぁ…またシュウさんのこと考えてしまってる。
野々村さん、早く帰って来ないかなぁ?
でも、今日はきっと野々村さんも疲れてるし、やっぱり話すのは明日だな。
余計なことを考えないように、今夜はもう寝よう…

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