赤い流れ星3
(送っちゃった……)



ほっとすることもなく、却って鼓動は速くなって……

間違えなかったかな?
ちゃんと送れたかな?



わぁ…私って、ばか。
あんなメールのことなんて、シュウさん、なんとも思うわけないのに、何をどぎまぎしてるんだ……?
うん、気にする事なんてない、ない。



しばらくしてもメールが返って来るようなことはなかったから、間違えずに打てたんだと思う。
ちょっと迷いはあったけど…
私は、送信メールから、シュウさんのアドレスを登録した。
ついでに、携帯の番号や住所も登録しておこう。
照れる……なんだかこんなことしてる自分がめちゃめちゃ照れ臭い。
そして、ちょっと誇らしい。
だって、シュウさんのこんな情報を知ってるのは、そんなに多くないはずだもん。



(あ…この住所って……)



確か、野々村さんの家の方だ。
けっこう近いのかも知れない。
多分、この名前からすると、高級なマンションだね。
7階か…高い所に住んでるんだな。
でも、シュウさんとマンションの高層階って、イメージにぴったり。
きっと、おしゃれな部屋なんだろうな。



(そういえば……)



ここに来た時、ちょっと驚いた。
兄さんのことだから、きっとマンション暮らしだと思ってたのに、こんな日本風の平家だなんて。
まぁ、私が住んでたおばあちゃんの家に比べたらずっと新しいっていうのか、綺麗にリフォームされてるし使いやすいけど、どこかおばあちゃんの家を思い出させる。
だから、あのハイカラな兄さんとこの家は違和感があるんだよね。
あ…そうか。
マイケルさんやアッシュさんのためだったのかな?
外国の人はどうしてもこういう日本的な家に憧れるから、それでこういう家にしたのかもしれないね?



そんなことを漠然と考えていると、メールの着信音が鳴った。



(わっっ!)



メールの差し出し人は、さっき登録したばかりの神咲愁斗…シュウさんからのメールだった!


< 234 / 761 >

この作品をシェア

pagetop