赤い流れ星3




「はい、ご心配なく……
では、失礼します。」

青木さんには、あまり詳しいことは話さず、とにかく今夜は美幸さんをうちに泊めるということだけを伝えた。
当の美幸さんはかなり本格的に熟睡されてて、電話をかけてる間もソファの上で眠りこけたまま。



私は、その間に客間に布団を敷き、美幸さんの肩を叩いた。



「美幸さん、あっちに行きましょう。」

「う…うん…」

よろよろされながらもなんとか歩いて下さって、布団に寝かせるとそのまままた静かになった。







(それにしても、美幸さんの落ちこみようは酷かったなぁ…)



美幸さんは起きられる様子がなかったので、お風呂にお誘いするのはやめておいた。
明日の朝にでも入っていただけば良い。
お風呂の中で、さっきの会話を思い出しながら、どうしたものかと私は考えた。
やっぱり、KEN-Gさんにはお話しといた方が良いだろう。
KEN-Gさんなら、シュウさんと直接話すことも出来るだろうし、それとなく聞いてもらえるんじゃないかしら?

それにしても、純平さんがあんな露骨なことをおっしゃるなんて、ちょっと信じられない。
美幸さんと純平さんは、傍目にも気が合ってるように見えたのに…… 
あ…そういえば、私も純平さんの名刺はもらってたんだ。
連絡して訊いてみたいけど…でも、私が突然電話なんてかけたら驚かれるわね。
それに、言いにくいことだし……



お風呂から上がって、リビングで寛いでいると、携帯の着信音が鳴った。
それは、美幸さんのバッグの中から……
もしかしたら、青木さん…!?



申し訳なかったけど、バッグを開けて美幸さんのスマホを取り出した。
そこに表示されてたのは、「純平くん」の文字。



「は、はいっ!」

私は反射的に受話ボタンを押してしまった。



「……あれ?これって……」

「は、はい、みゆ…ひかりさんのスマホです。」

「え……?あの…あなたは?」

「美咲です。」

「あぁ、美咲さん。あれっ?ひかりちゃんは?」

私は手短に今の状況を話した。



「そうだったんですか。それでさっきも出てくれなかったんですね。
じゃあ、また掛け直します。」

「ま、待って下さい!」

「え…?」

「純平さんにお訊ねしたいことがあるんです!」
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