赤い流れ星3
side 美幸




「あぁ、やっぱりKEN-Gの家の食事とはずいぶん違うなぁ…」

マイケルさんが席に着くなりそう言って、くすりと笑った。



「なんだって…
そんなこと言うんなら、ボク、もう作らないよ!」

アッシュさんは、マイケルさんの言葉に大袈裟にほっぺたを膨らませ、兄さんはそれを見て笑ってた。



最初は心配で行くのも気が重かったおじいさんの家。
だけど、いざ行ってみたらとにかくものすごく楽しくて、自分でもちょっと驚く程、弾けてしまった。
おじいさんは話してみると不思議なくらい馴染みやすいっていうか…私が生まれた時にはもうおじいちゃんはいなかったのに、本当のおじいちゃんみたいな雰囲気ですっかり打ち解けてしまった。
それに、ゲームやアニメの衣裳があるなんて、反則だ!
前から一度着てみたいと思ってたけど、やっぱりなかなか勇気がなくて…それが、まさかこんな所で夢が叶うなんて考えてもみなかった。
衣裳はちょっときつかったけどどうにか入ったし、身に着けた途端、なんだかものすごくテンションが上がってしまって、思いっきり歌えたせいかすっごく気持ち良かった!
そうはいってもすがに私ももう若くないのか、羽目をはずしすぎたのか、家に戻ったら疲れがどっと押し寄せた。
しばらく仮眠した後、部屋でごろごろしていたら、いつの間にか夜になっていた。



「そもそも材料費も全然違うんだから。
ボクだって、あんなに良い材料さえあれば、昨日の料理と変わらないくらいの…」

「あぁ、わかった、わかった。
アッシュの料理はおいしいよ。
……ま、僕よりはちょっと劣るけどね。」

「よく言うよ。
料理の腕は、ボクの方が絶対上だよ。
ね?美幸ちゃんもそう思うよね?」

「え…え……?!」



不意に話を投げかけられた上に、何と返事をすれば良いのかわからず、私は視線で兄さんに救いを求めた。



「アッシュ…何度も言ってるだろ?
美幸は、あんまり冗談が通じるタイプじゃないんだから……ほら、返事に困ってるじゃないか。
あんなに真剣な顔して…」

兄さんは、口ではそう言いながらも私を見てにやにや笑う。



「美幸ちゃん、大丈夫だよ。
今のは冗談だから気にしないで。
あ…料理の腕は僕の方が上だっていうのは冗談じゃないけどね。」

「マイケル…
そういうこと言うから、美幸ちゃんがまた困ってるじゃないか。」

アッシュさんがそう言うと、三人は声を合わせてまた笑う。
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