赤い流れ星3
(……そういうことか。)
ひかりの顔を見ているうちに、俺はあることに気が付いた。
なんとなくひかりが俺を怖がる理由……それは、俺とひかりの兄が似ているからなんだと。
爺さんの話によると、ひかりの兄はけっこう厳しいらしい。
きっと、俺の口調だったり言うことだったりが似てるから…そういえば、俺とあのイケメン社長を似てると言う奴もいたから、俺の見てくれからもひかりは兄を思い出すのかもしれない。
そう思うと、つっかえていたものが取れたように気分がすっきりした。
「悪い面ばかり見るのと、良い面ばかりを見るのとでは、同じ世界でもまるで違ったものに見えるもんだぞ。」
「……え?」
「……俺の師匠に言われたことだ。
師匠に出会った頃の俺は、今とは違ってもうめちゃめちゃでな。」
「……めちゃめちゃ……?」
ひかりは、不思議そうな顔をして、小さく首を傾げた。
(……めちゃめちゃとしか言いようがないよな……)
あの頃の自分を思い出すと、苦笑するしかない。
なんであんなに荒れくれてたのか…自分のことを、まるで、世界一の不幸者みたいに思いこんで……
「……シュウさん?」
「え…?あ、すまない。
考えてみたんだけど、めちゃめちゃ以外の言葉がみつからない。
あの頃の俺は馬鹿過ぎて、俺の記憶の中から抹消したいくらいだ。」
「まさか……」
「本当なんだ。
ちょうどその頃、カズさんに出会って…
そして、そんなことを言われた。
最初は意味さえわからなくて、このおやじ、何言ってるんだって思っただけだったけど、今ははっきりとその意味がわかる。
……人との出会いって本当に不思議だよな。
俺も師匠に出会ってなかったら、今もめちゃめちゃだったのかもしれない。」
俺の頭の中に、カズさんの優しい笑顔が浮かび上がり、俺はなんとも言えない穏やかな気持ちに包まれた。
「そんなことないでしょ。
シュウさんは頭も良さそうだし、なんでもうまく出来そうだし……」
「なんでもうまく出来る人間なんてそうはいない。
なんでもうまく出来るように見える人間は、人知れず頑張ってるんだと思うぜ。
……少なくとも、俺はそうだ。」
俺がそう言うと、ひかりは驚いたような顔で俺をみつめた。
ひかりの顔を見ているうちに、俺はあることに気が付いた。
なんとなくひかりが俺を怖がる理由……それは、俺とひかりの兄が似ているからなんだと。
爺さんの話によると、ひかりの兄はけっこう厳しいらしい。
きっと、俺の口調だったり言うことだったりが似てるから…そういえば、俺とあのイケメン社長を似てると言う奴もいたから、俺の見てくれからもひかりは兄を思い出すのかもしれない。
そう思うと、つっかえていたものが取れたように気分がすっきりした。
「悪い面ばかり見るのと、良い面ばかりを見るのとでは、同じ世界でもまるで違ったものに見えるもんだぞ。」
「……え?」
「……俺の師匠に言われたことだ。
師匠に出会った頃の俺は、今とは違ってもうめちゃめちゃでな。」
「……めちゃめちゃ……?」
ひかりは、不思議そうな顔をして、小さく首を傾げた。
(……めちゃめちゃとしか言いようがないよな……)
あの頃の自分を思い出すと、苦笑するしかない。
なんであんなに荒れくれてたのか…自分のことを、まるで、世界一の不幸者みたいに思いこんで……
「……シュウさん?」
「え…?あ、すまない。
考えてみたんだけど、めちゃめちゃ以外の言葉がみつからない。
あの頃の俺は馬鹿過ぎて、俺の記憶の中から抹消したいくらいだ。」
「まさか……」
「本当なんだ。
ちょうどその頃、カズさんに出会って…
そして、そんなことを言われた。
最初は意味さえわからなくて、このおやじ、何言ってるんだって思っただけだったけど、今ははっきりとその意味がわかる。
……人との出会いって本当に不思議だよな。
俺も師匠に出会ってなかったら、今もめちゃめちゃだったのかもしれない。」
俺の頭の中に、カズさんの優しい笑顔が浮かび上がり、俺はなんとも言えない穏やかな気持ちに包まれた。
「そんなことないでしょ。
シュウさんは頭も良さそうだし、なんでもうまく出来そうだし……」
「なんでもうまく出来る人間なんてそうはいない。
なんでもうまく出来るように見える人間は、人知れず頑張ってるんだと思うぜ。
……少なくとも、俺はそうだ。」
俺がそう言うと、ひかりは驚いたような顔で俺をみつめた。