赤い流れ星3
*
「ほぅ、シュウとそんなお話をのう……」
結局、私達はお茶を飲みながら他愛ないおしゃべりをして、夕方になった頃には呆気なくお開きとなった。
KEN-Gさんはもちろん引き止められたけど、シュウさん達は今日中にやっておきたいことがあるとかで帰られてしまい、私と美幸さんは特に用もないのでそのまま残った。
「意外だったけど、言われてみたら確かにそうだなって思ったよ。
うちの兄さんも、女好きでどうしようもない反面、仕事はけっこう真面目にやってるんだよ。
朝方まで部屋でごそごそしてることもあるからね。」
「確かに、そういうもんじゃよ。
シュウも和彦さんも負けん気が強いというか、プライドが高い所があるからのぅ……
彼らのようなタイプは、他人がどうこうということではなく、常に自分自身がライバルなんじゃろな。」
「自分自身が……?」
美幸さんは不思議そうな顔をして、小さく首を傾げられた。
「そうじゃ。
なにかうまく出来ないことや人より劣ってることがあると、それが悔しくて仕方ないんじゃな。
だから、必死で努力する。」
「あぁ…ややこしい性格だね。
自分で自分と戦うなんてさ。
そんなのどっちが勝ったなんて、どうやって判定するんだろうね。」
「きっと、これで良いと感じた時が、挑戦した自分が勝った時なんじゃよ。」
「……おじいさん、なかなか良いこと言うね。」
「……そうじゃろ?」
KEN-GさんはVサインをして、にっこりと微笑まれた。
「それにしても、あのシュウがそんな話をするとは……ひかりはシュウに気に入られとるのかもしれんな。」
「ば、ばかなこと言わないでよ!
そんなことあるわけないじゃん。」
美幸さんの顔が俄かに赤くなられる。
「でも、シュウはふだん表面的な話しかせんのじゃよ。
そういう心の中のことを話すというのは、ひかりのことを信頼しとるか気に入ってるかじゃと思うが……」
「そ、そんなことないよ。
き、きっと、私はどうでも良いタイプだから…
ほ、ほら、犬とか物に対して話してるような…そういう安心感があるんだよ、きっと。」
「そんなことありませんよ。
私もきっとシュウさんは美幸さんを気に入られてるんだと思います。」
「そうじゃよなぁ……?」
私は、KEN-Gさんの言葉に大きく頷いた。
「ほぅ、シュウとそんなお話をのう……」
結局、私達はお茶を飲みながら他愛ないおしゃべりをして、夕方になった頃には呆気なくお開きとなった。
KEN-Gさんはもちろん引き止められたけど、シュウさん達は今日中にやっておきたいことがあるとかで帰られてしまい、私と美幸さんは特に用もないのでそのまま残った。
「意外だったけど、言われてみたら確かにそうだなって思ったよ。
うちの兄さんも、女好きでどうしようもない反面、仕事はけっこう真面目にやってるんだよ。
朝方まで部屋でごそごそしてることもあるからね。」
「確かに、そういうもんじゃよ。
シュウも和彦さんも負けん気が強いというか、プライドが高い所があるからのぅ……
彼らのようなタイプは、他人がどうこうということではなく、常に自分自身がライバルなんじゃろな。」
「自分自身が……?」
美幸さんは不思議そうな顔をして、小さく首を傾げられた。
「そうじゃ。
なにかうまく出来ないことや人より劣ってることがあると、それが悔しくて仕方ないんじゃな。
だから、必死で努力する。」
「あぁ…ややこしい性格だね。
自分で自分と戦うなんてさ。
そんなのどっちが勝ったなんて、どうやって判定するんだろうね。」
「きっと、これで良いと感じた時が、挑戦した自分が勝った時なんじゃよ。」
「……おじいさん、なかなか良いこと言うね。」
「……そうじゃろ?」
KEN-GさんはVサインをして、にっこりと微笑まれた。
「それにしても、あのシュウがそんな話をするとは……ひかりはシュウに気に入られとるのかもしれんな。」
「ば、ばかなこと言わないでよ!
そんなことあるわけないじゃん。」
美幸さんの顔が俄かに赤くなられる。
「でも、シュウはふだん表面的な話しかせんのじゃよ。
そういう心の中のことを話すというのは、ひかりのことを信頼しとるか気に入ってるかじゃと思うが……」
「そ、そんなことないよ。
き、きっと、私はどうでも良いタイプだから…
ほ、ほら、犬とか物に対して話してるような…そういう安心感があるんだよ、きっと。」
「そんなことありませんよ。
私もきっとシュウさんは美幸さんを気に入られてるんだと思います。」
「そうじゃよなぁ……?」
私は、KEN-Gさんの言葉に大きく頷いた。