赤い流れ星3
「もうっ!野々村さんまでそんなこと言って!からかわないで!!」

「からかってなんていませんよ。
私は本気で……」

「ない、な、ない!
そんなこと、ぜーーったいにないってば!
……それに…私は……」



美幸さんが言いかけられた言葉に、私は思い当たることがあった。
純平さんのことだ。
まさか、美幸さん…純平さんとのことをKEN-Gさんにも打ち明けるおつもりなのかしら…!?




「……どうした?ひかり……
なにかあるのか?」

「……なにもないよ。
そ、そんなことより、晩御飯はまだ?
私、おなかが……あ……」

「ちょうど、来たようじゃな……」



難題物ワゴンが連なり、とんでもなく豪華な夕食が次々とテーブルの上を埋めていく。
それに伴なって、美幸さんの顔はどんどん緩んでいく。
確かにとっても美味しそう。
お昼にもけっこう食べたし、その後にはケーキも食べたのに、もうおなかがすいてるなんて……
そんなことを考えてはちょっとおかしくなりながら、私達は楽しい夕食の時間を過ごした。







「今日はまぁまぁというところじゃな。」

「そうですね。
突然どうこうって言うのは、却って不自然ですもんね。」

家に帰ると、程なくしてKEN-Gさんから電話がかかって来た。



「さっきも言うたが、シュウがああいうことをひかりに話したのはけっこう重要なことだと思うんじゃ。
これからも、今日のメンバーで度々会うことにしよう。
店にももちろん遊びに行くぞ。
例のケーキ屋さんにも早いうちに行こう。」

「そうですね。」

「あんたにとったら迷惑なことかもしれんが…
どうか、これからもひかりとシュウのこと…協力しておくれ。」

「もちろんです!
私、迷惑だなんて思ってませんから!
大丈夫ですよ。
絶対に、シュウさんとひかりさんは以前のような関係に戻れますよ!
頑張りましょうね!」

「ありがとう…野々村さん…
あんたがいてくれて、ほんに良かった……」

KEN-Gさんは、ひかりさんやシュウさんのことを思ってそうおっしゃったんだろうけど、
その言葉は、私にとっても嬉しい言葉だった。
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