赤い流れ星3




(ばっかだなぁ……)



私…なんで、シュウさんのことを言わなかったんだろう?
私はシュウさん達が来るのを知らなかったんだし、誰かに口止めされたわけでもないし、シュウさんとなにかあったわけでもない。



(なにか……?)



わ、私ったら、なに考えてるんだ?
シュウさんは私のことなんてなんとも思ってないどころか、きっと嫌ってるっていうのに、なにかなんてあるわけがないじゃない。



それに、もしかしたら、シュウさんか慎二さんが純平君に話すかもしれない……!!



「昨日、シュウさんと、大河内さんのとこでおいしい肉食べてきたんやで。」
……なんてね。



私、なんで、さっき話さなかったんだろう?
隠す必要なんてひとつもなかったのに……
隠すっていうのとはちょっと違うには違うけど、隠す必要のないことを、結果的には隠してしまったわけだから……
そうだ。今からメールしよう!



『純平君、さっき話しそびれてたんだけど……』



そう打ったものの、その文面を見るとなにか変。
『話しそびれた』っていうのがおかしいよね。
なんで、話しそびれるのかが……
じゃあ……



『さっき、話すの忘れてたんだけど……』



この方が良いかな?
……でも、やっぱりおかしいよ。
シュウさんや慎二さんは純平君の同僚なんだし、普通なら真っ先に話すよね。



「今日、おじいさんの所に行ったら、なんと、慎二さんとシュウさんも来たんだよ!」



って、こんな感じだよね。
で……
「二人が来るなんて知らなかったから、びっくりしたよ。」
と、それだけで二人のことは終わるよね。



(あぁぁ…私の馬鹿!)



あっさり言ってしまったら、簡単に済むことを、私…なんで隠したりしたんだろう?
今からだと逆に言いにくい。



どうしたら良いんだろう?



考えても良い案は何も浮かんでこない。
私は、スマホを持って、スカイプで野々村さんに連絡した。

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