赤い流れ星3
「……えっと、それで、あさってのことなんだが……」

「あれ…?シュウさん…どうして私の携帯番号知ってるんですか!?」

「だから……
日曜のことでじいさんに連絡するように言われてたから電話したんだ。
そしたら、じいさん、ちょうど忙しかったらしくって、ひかりに伝えておいてくれって、電話番号を言われて……だから、電話したんだ。」



やっぱりね。
そんなことでもなきゃ、シュウさんが私に電話してくることなんてない。
なるほど。シュウさんは私に電話なんてしたくないけど、おじいさんに頼まれたから仕方なくってことなんだ。
さっきの「これからも連絡することがあるかも」っていうのは、今日みたいにおじいさんと連絡が取れない時のためなんだ。



「……はい、わかりました。
それで、なんて伝えておけば良いですか?」

私がちょっと嫌味な言い方をしたせいか、シュウさんは一瞬押し黙って……



「……日曜は込むから、午前中に行こうと思うんだ。
それとも、早い時間に甘い物っていやか?」

「え?私は別にいやじゃないけど……」

「それじゃあ、俺が車でじいさんの家に迎えに行くから……」

「あ…駅前で待ち合わせしませんか?」

「え…?その方が良いのか?」

「ええ、まぁ……」



今週の日曜はゆっくりするとか、最近、兄さんが言ってたんだ。
もしも、おじいさんの家に行ってることや、万一、あんなホスト丸出しの車に乗ってるところをみられたら、まずいもの!



「じゃあ、駅のどっち側だ?」

「えっと……じゃ、北側の本屋さんの近くの…あの辺どうですか?」

「本屋……あぁ、わかった。
なら、あそこに10時でどうだ?」

「わかりました。
じゃあ、そのようにおじいさん達に知らせておきますね。」

「頼む。じゃあ、日曜にな。」



職場も駅の南側だし、おしゃれなお店があるのも南側だから、兄さん達は北側には滅多に行かないはず。
だから、私はあえて北側を選んだんだ。



それにしても、なんなんだろ?
今日のシュウさん、やけに馴れ馴れしくなかったか?
最初、私のことも呼び捨てにしたような…えらく間のあいた「ちゃん」だったし……
それに……



「なんだ、俺の番号、登録してないのか?」



名刺を捨てろって言ったのはどなたですか!?
しかも、直接じゃなくて純平君に言わせて……



だいたいあの時だって、そんなことを言っておきながら「メールは送ってくれて良い」なんて送って来て……



(あぁ、もうわけがわからない!)

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