赤い流れ星3
元々、私はそんな大それたことは考えてない。
シュウさんみたいな人とお店以外でたまに会えるだけでもすごいと思ってるよ。
そもそも、シュウさんは本当なら私が出会うはずもなかったような人だよね。

私がこっちに来て…
たまたま、近所に大金持ちのおじいさんが住んでて、
そのおじいさんに連れられてホストクラブに行ったから、出会えたわけで……



考えてみれば、なんだかすごいことだよね。
私とホストなんて、どう考えても接点が無さそうなものなのに、接点はなくてもちょっとした偶然でこういうことになるんだね。



(あ……そういうのが「縁」ってやつなのかな?)



その縁のおかげで、私には純平君って彼氏が出来た。
オタクで全然モテなかった私に、生まれて初めて出来た彼氏がホストだなんて……



(あれ…?なんだか携帯小説っぽい展開……??)



まぁ、そうとも言えなくはないけど、携帯小説なら純平君みたいな地味目のホストじゃなくて、カリスマホストのシュウさんと…ってことになるだろうね。
そのあたりが、やっぱり小説と現実は違うんだ。
でも、地味目とはいえ、純平君は私なんかにゃもったいないくらい格好良いし、純平君を目当てに来るお客さんだっているんだから、やっぱりこれはすごいことだと思うけど……
私に仲の良い女友達がいたら、かなり羨ましがられるよね。



そんなことはともかく……



私は、野々村さんに電話をかけた。
今日のことをおじいさんに伝えなきゃならないけど、野々村さんの手前、おじいさんに直接連絡するのはちょっと気が引けるから。
私が野々村さんに伝えて、野々村さんからおじいさんに連絡してもらった方が良いもんね。
いまだにあの二人は、私達が二人の関係を知ってることに気付いてない。
本当に、水臭いっていうか、秘密主義なんだから……
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