赤い流れ星3




「ただいま。」

「あ、美幸ちゃん…おかえり。」

居間に入ると、なんだかマイケルさんとアッシュさんの様子がおかしい。



「美幸…今日はどこに行ってたんだ?」

兄さんの機嫌が酷く悪い。
一体、どうしたんだろう?



「え?どこって…
甘いもの食べて、カラオケに行って…」

「……誰と?」

「え?」

おかしい。
今朝は野々村さんと遊びに行くって言ってあるし、その時は、兄さんもこんなに機嫌は悪くなかった。



アッシュさんとマイケルさんの様子もおかしいし、まさか…



私が嘘吐いたのバレてる??



「……あの…野々村さんと…
それと……」

「それと??」

やっぱりそうだ。
兄さんは知ってる。
私が、今日、シュウさんやおじいさんとでかけたのをなぜだか知ってる…!



「えっと、それは……」

どうしよう?
多分バレてるとは思うけど、もしそうじゃなかったら、墓穴を掘ることになる。
本当のことを言った方が良いのか、それとも…



「どうした?」

「え?だ、だからね……」



万事休す!
だけど、その時、家のチャイムが鳴った。



「あ、誰か来たみたい。」

私は慌てて玄関の方へ向かった。



「待て、美幸!」

兄さんの声も聞かずに私は玄関へ走った。



「あ!野々村さん!」

「美幸さん、手提げを忘れてらっしゃいましたよ。
お財布が入ってたので、持ってきました。」

「野々村さん…」

「あ、青木さん、こんばんは。」

何てタイミングが良いんだろう?
私は野々村さんを抱きしめたいくらいだった。



「では、私はこれで…」

「野々村さん!せっかくだから寄って行ってよ!」

「でも、私、表にタクシーを…」

「そんなの帰ってもらえば良いよ。
帰りはタクシーをまた呼べば良いんだし。ね?」

私は無理を言って、野々村さんをあがらせた。
ピンチなんだもん!
ここで野々村さんが帰ってしまったら、大変なことになってしまう。
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