赤い流れ星3
「あっ!」


俺は、もうひとつ大事なことを思い出していた。



「どうした?」

「ネイサン…俺は、シュウに会ってる!
いや、みかけたことがある!」

「シュウを…?」



そうだ…亜理紗と噂になったホスト…
つい最近、美幸と会っていたというホスト…あれはシュウだ!



シュウはまたこの世界に来ている。
でも、なぜシュウが?
それにどうして働けるんだ?
戸籍はどうなってるんだ?
もしかして、偽の戸籍を作ったのか…?



「ネイサン…本当に俺はおかしくなっていないか?」

「あぁ、心配するな。
君は特別な体験をしただけだ。
おかしくなんかなっていない。」

だが、そう言われても不安でたまらなかった。
俺が体験した二つの異なる人生…このことをどちらも本当だと証明してくれる人なんていな…



(あ……)



そうだ!野々村さんならもしかして…
いや…そんなこと、野々村さんでも信じてはくれない…
ましてや、今の彼女は大河内さんとつきあってるんだ。
俺の話なんて…でも…



その時、俺の頭にひらめくものがあった。



そう…全く覚えのないあの紙切れ…
ジャケットのポケットに入っていたあのメモ…



『野々村さんの言うことを信じろ。
彼女の話はすべて真実だ。』



「ネイサン…すまないが、ちょっとつきあってくれないか?」

「え?いいけど、どこへ?」

「野々村さんのところだ。」
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