赤い流れ星3




「そうか、それじゃあ、頼んだぞ。」

しばらくして電話が終わった。



「お待たせしましたな。
一応、シュウと慎二、それと純平とジョーを呼ぶように頼んでおきました。」

「うまくいくでしょうか?」

「彼らの世界は縦社会ですからな。
シュウが誘えば、まず断ることはないでしょう。」

「そうですか。
では、あとは俺が美幸達を誘えば…あ、いや、どうせなら、大河内さんに直接言ってもらった方が良いかもしれませんね。
俺が言うよりも嘘が感じられないし、断りにくいと思いますから。」

「そうですな、それではそういうことにしましょう。」

なんとか話はまとまった。
後は、当日、二人が接触しないようにすれば良いだけだ。



「それじゃあ、今日はここでお開きということに…
わしはこれから少し用がありますので、今、車を…」

「いえ、俺達ならけっこうです。
俺はもう少しそこらをぶらぶらして帰りますから…」

わざわざ車を手配してもらうのが悪くて、俺はそんなことを言った。



「野々村さん、良かったらお茶でも飲みませんか?」

大河内さんと別れて、俺は野々村さんをお茶に誘った。
美幸のことを少し聞いておきたかったんだ。
俺達は、さっきの店のすぐ近くにある喫茶店に入った。



「それにしても、美幸の奴…俺が思ってたよりも大人になってたんですね。
しかも、何度もホストクラブに行ってたなんて…」

「す、すみません。
で、でも、そう何度もってわけじゃないんですよ。
確か…三回くらいだったと思います。」

「それで、どうして純平という男とはそんなに親密になったんですか?」

「それはさっきKEN-Gさんがおっしゃった通り、アニメを通じてです。
純平さんもひかりさんもアニメが大好きで、趣味がぴったり合ったんでしょうね。
デュエットされてる時もおふたりともとても楽しそうで…
それで、どちらが先に連絡されたかはわかりませんが、連絡する度に話が合って盛り上がった…って感じだと思いますよ。」

まさか、ホストクラブにアニメオタクがいるとは…
美幸も運命的な出会いを感じたのかもしれない。
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