赤い流れ星3




「野々村さん…今度の日曜日のことなんだけど…」

「KEN-Gさんの家でのパーティのことですか?」

「う、うん。」

やっぱり、野々村さんはパーティのことを知っていた。
そりゃあそうだ。
おじいさんと野々村さんは、ラブラブなんだから、こういうこともすぐに連絡を取ってるはずだ。



「純平さんとのデートのこと、残念でしたね。
でも、純平さんも来られるらしいですよ。」

「そうらしいね。
でも、なんで、純平君が呼ばれたんだろう?」

「さ、さぁ…シュウさんが決められたんじゃないですか?」

「そうなのかなぁ…なんか、変な感じだよ。
ま、それはともかく、買い物はいつが良いかな?」

「買い物…?」

「だから、パーティに着て行く服…」

「あ、あぁ、私ならいつでも良いですよ。」

結局、買い物は土曜日に行くことになった。
それまでにうまいこと言って兄さんからお小遣いをせしめないと…
それにしても、二人っきりではないとはいえ、純平君に会うのは久しぶり…考えれば考える程、心が弾む。



(あぁ、私…恋する乙女してるよねぇ…)



そんなことを考えるとちょっと恥ずかしいけど、でもどこか誇らしげでもある。
恋なんてものとは無縁だったこの私に、彼氏が出来るなんて、本当に奇蹟だよね…
兄さんにがみがみ言われるとはいえ、やっぱりこっちに出て来たのは成功だったと思える。
あのままおばあちゃんの家にいたら…いや、そんなことは母さんが許さなかっただろうし、こっちに来てからは仕事も休まず続いてるし…
年は離れてるけど、野々村さんっていう友達は出来たし、おじいさんだっているし…考えてみれば良いことづくめだ。



(やっぱり、兄さんには感謝しなきゃね…)

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