赤い流れ星3
*
「はいっ!そこです!」
「もっと早口で!」
覚えたての曲を大河内さんに指導したけど、やはり速いノリはどうも苦手みたいで、なかなかうまくいかない。
「……やっぱりわしには無理かのう…」
「タイミングさえつかめばなんとかなると思うんですが…
それと、サビの前の部分はもう少し早く…」
「頭ではわかっとるんですがのう…」
大河内さんもがっかりした様子だ。
「もしなんなら青木さんが入られてはいかがでしょう?」
「えっ!?」
「青木さんはもう完璧に覚えられたようですし…」
「え…そりゃあまぁ…」
確かに覚えるのは覚えたが、美幸の恋路を邪魔するために一緒に歌うなんて…
でも、大河内さんもそんないやな役目をやろうとしてくれているんだし。
「それじゃあ、わしと一緒に歌ってもらえませんかな?
最初にわしが一緒に歌いたいと入りますから、そこで和彦さんも一緒に入ってもらえたら…」
「はぁ…」
なんだか断れない状況になってしまった。
歌の邪魔をしたところで、どれほどの効果があるかはわからないが、大河内さんはとにかく本気なんだ。
俺も美幸の兄として、放っておくわけにはいかない。
「とにかく、純平との仲がこれ以上進まんようにしなくてはな。」
「なんだか少し可哀想ですけどね。
ひかりさん、明日は服を買いに行くってはりきってらっしゃいました。」
「え?それじゃあ、服が欲しいっていったのは、純平に会えるからなんですか?」
「え?そ、そうです…」
パーティに着て行く服を買いたいと言われ、深く考えることなく、金を渡したが、そういうことだったとは…
「野々村さん…美幸はそんなに純平って男にぞっこんなんですか?」
「え…ぞっこんというものかどうかはわかりませんが、ひかりさんにとっては初めての恋愛、初めての彼氏さんですから、やはりそれなりには…」
そうだった…現実では、美幸はシュウとも雅樹とは付き合ってはいない。
純平が最初の恋人なんだ。
美幸が夢中になるのも当然だ。
「はいっ!そこです!」
「もっと早口で!」
覚えたての曲を大河内さんに指導したけど、やはり速いノリはどうも苦手みたいで、なかなかうまくいかない。
「……やっぱりわしには無理かのう…」
「タイミングさえつかめばなんとかなると思うんですが…
それと、サビの前の部分はもう少し早く…」
「頭ではわかっとるんですがのう…」
大河内さんもがっかりした様子だ。
「もしなんなら青木さんが入られてはいかがでしょう?」
「えっ!?」
「青木さんはもう完璧に覚えられたようですし…」
「え…そりゃあまぁ…」
確かに覚えるのは覚えたが、美幸の恋路を邪魔するために一緒に歌うなんて…
でも、大河内さんもそんないやな役目をやろうとしてくれているんだし。
「それじゃあ、わしと一緒に歌ってもらえませんかな?
最初にわしが一緒に歌いたいと入りますから、そこで和彦さんも一緒に入ってもらえたら…」
「はぁ…」
なんだか断れない状況になってしまった。
歌の邪魔をしたところで、どれほどの効果があるかはわからないが、大河内さんはとにかく本気なんだ。
俺も美幸の兄として、放っておくわけにはいかない。
「とにかく、純平との仲がこれ以上進まんようにしなくてはな。」
「なんだか少し可哀想ですけどね。
ひかりさん、明日は服を買いに行くってはりきってらっしゃいました。」
「え?それじゃあ、服が欲しいっていったのは、純平に会えるからなんですか?」
「え?そ、そうです…」
パーティに着て行く服を買いたいと言われ、深く考えることなく、金を渡したが、そういうことだったとは…
「野々村さん…美幸はそんなに純平って男にぞっこんなんですか?」
「え…ぞっこんというものかどうかはわかりませんが、ひかりさんにとっては初めての恋愛、初めての彼氏さんですから、やはりそれなりには…」
そうだった…現実では、美幸はシュウとも雅樹とは付き合ってはいない。
純平が最初の恋人なんだ。
美幸が夢中になるのも当然だ。