赤い流れ星3
side 美幸




「それじゃあ、腹ごなしにカラオケでもやるかな。」



やったーーー!
ついにカラオケタイムだ!
焼き肉を食べてる間は、ほとんど純平君としゃべる機会がなかった。
たまたま純平君が近くに来て、喋ろうかと思ったら、おじいさんや兄さんが話し掛けてきたりして、邪魔されてばっかりだったんだもん。
カラオケでは思いっきり二人で歌うんだ!



あぁ、それにしても久しぶりに会った純平君はやっぱり格好良い。
なんていうのか、どこか逞しくなったって言うのか、きりっとした感じがする。
新人さんの指導をしてたせいかな?
それに、今日はお店とは違う服を初めて見た。
いつものスーツ姿とはちょっと違って、今日はラフなスタイルだけど、それもまた素敵だ。
いや、むしろ、こっちの方が純平君っぽくて良いかもしれない。
シュウさんやジョーさんはいつも通り、スーツだけど、お店で来てるスーツとはやっぱりどこか違う。
本当に隙がないっていうのか、どこから見ても格好良い。



「わぉ!本物のカラオケ屋さんより立派だね!」

ネイサンさんが部屋に入ってびっくりしてた。
私はもう何度か来たことがあるから驚かないけど…でも、本当に立派な設備だ。
純平君とは一緒に歌う曲を昨夜決めてあった。
さぁ、歌うぞ~!



「じゃあ、まずはネイサン、歌ってよ!」

「え?僕から?」

「そうだよ、今日は君の歓迎会だもの…!」

結局、一曲目はネイサンさんの歌で幕を開けた。
それは、日本の古い歌謡曲らしく、皆、手拍子なんかしてけっこう良い雰囲気に始まった。
ネイサンさんも歌がうまい。
伸びのある澄んだ声で、まるで歌手みたいだ。

< 372 / 761 >

この作品をシェア

pagetop