赤い流れ星3




「あ、もしもし、ひかりちゃん?」

「純平君!」

その晩、遅くに純平君から電話があった。
私もかけたい気持ちはあったけど、パーティがけっこう長引いて遅くなったから、かけるのを躊躇っていただけに嬉しかった。



「遅くにごめんね。ひょっとしてもう寝てた?」

「ううん、まだ起きてたよ。」

本当はちょっとうとうとしてたけど、そんなことは言わない。



「そっか。良かった…
早速だけど、今日はデュエット出来なくて残念だったね。」

「うん、まさか、おじいさんや兄さんがしゃしゃり出て来るなんて思ってなかったからね。」

「そうだよね、僕もびっくりしたよ。
ノリでじゃあ、僕も!って言えば良かったのかもしれないけど、僕、ノリが悪いから言い損ねちゃって…」

「そんなことないよ。
あの雰囲気じゃ、入り辛いのわかるよ。」

兄さんとおじいさんにサンドイッチにされてたんだもん。
よほど強引な人じゃないと入りにくいのはよくわかる。



「本当に残念だった…
ほとんど話も出来なかったしね。」

「うん…でも、久々に会えただけでも嬉しかったよ。」

「そうだよね、会うのひさしぶりだもん。
でも、ひかりちゃん…なんだか会う度に可愛くなってるね。
今日のピンクのチュニックもすごくよく似合ってたよ。」

「え?ほ、本当??」

昨日、野々村さんと買いに行った服…野々村さんが、私にはピンクが似合うって言ってくれたからピンクのを探してたら、ちょうどセールで半額になってて、サイズもあうのがあって、野々村さんがそれをすすめてくれたから買ったんだけど…
純平君までがほめてくれるなんて、やっぱりそれにして正解だったみたい。



「純平君も格好良かったよ。
お店とは雰囲気違ってて…」

「今日は一応ラフな服装で良いって言われたからあんな感じにしたけど、気を抜いた時はひどいんだよ。
前に友達に会った時、寝間着で来たのかって言われたくらいでね。
僕、シュウさんみたいにセンス良くないから。」

「そんなことないよ~
そりゃあ、シュウさんはいつも格好良いけど、あの人は特別でしょ。
シュウさんには誰も敵う人いないんだから、気にすることないよ。」

「ありがとう、ひかりちゃんは本当に優しいね。」

そんなこと言われたら照れますから~…!
にやけながら、純平君との他愛ない話は一時間も続いてた。
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