赤い流れ星3
side 和彦
*
「今日は俺の勝ちみたいだな。」
「何言ってんだ。
勝負はこれからだ。」
シュウの隣に座って、糸を垂れる。
釣りなんて、久しぶりだから、なかなか調子が出ないけど、こんな風にのんびりすることは嫌いじゃない。
あれ以来、シュウとはプライベートでも一緒に行動することが多くなった。
アッシュやマイケルや他のホストが一緒の時もあれば、ふたりっきりのこともある。
俺が知ってるシュウよりも、今のシュウはやはりどこか大人っぽいというのかしっかりしてる気がする。
それも当然のことだ。
いまや、シュウは、大勢のホストを束ねるオーナーなのだから。
「やった!また釣れた!やっぱり今日は俺の勝ちだな!」
「俺は、後から追いかけて逆転するタイプなんだ。
最初から勝つより、その方が気分が良いからな。」
「あんたの負けず嫌いは病気だな。」
俺は、シュウの言葉を鼻で笑った。
「それはそうと、カズ…
再来週の日曜は空け解いてくれないか?」
「再来週?何かあるのか?」
「あぁ、俺の大切な人がこっちに来るんだ。
それで、パーティを開こうと思って…」
「なんだ、シュウ…そんな相手がいたのか。
今はいないとか言ってたのはどこのどいつだ。」
口では平静を装いながらも、内心はすごく焦っていた。
美幸との仲が全く進展しない中、実はシュウにそんな相手がいたなんて…
「勘違いすんなよ。
前に話したことがあっただろ?
俺の師匠のカズさんが来るんだ。」
「なんだ、そうなのか…」
以前、シュウに聞いたことがあった。
学校を卒業し、自由気ままに遊んでいた頃、両親を一度に事故で失い、その寂しさや心細さから自棄になっていた時代…
そんな時に、そのカズさんと知り合い、そこからシュウはホストへの道を歩み出したのだと言う。
なんでもすごく男気のある人で、親のように様々なことを教え、気付かせてくれた人だということだった。
「カズさんに出会わなかったら、今の俺はない。
今頃は、世間に顔向け出来ないような人生を送っていたかもしれない。」
シュウはそんなことをしみじみと語っていた。
「今日は俺の勝ちみたいだな。」
「何言ってんだ。
勝負はこれからだ。」
シュウの隣に座って、糸を垂れる。
釣りなんて、久しぶりだから、なかなか調子が出ないけど、こんな風にのんびりすることは嫌いじゃない。
あれ以来、シュウとはプライベートでも一緒に行動することが多くなった。
アッシュやマイケルや他のホストが一緒の時もあれば、ふたりっきりのこともある。
俺が知ってるシュウよりも、今のシュウはやはりどこか大人っぽいというのかしっかりしてる気がする。
それも当然のことだ。
いまや、シュウは、大勢のホストを束ねるオーナーなのだから。
「やった!また釣れた!やっぱり今日は俺の勝ちだな!」
「俺は、後から追いかけて逆転するタイプなんだ。
最初から勝つより、その方が気分が良いからな。」
「あんたの負けず嫌いは病気だな。」
俺は、シュウの言葉を鼻で笑った。
「それはそうと、カズ…
再来週の日曜は空け解いてくれないか?」
「再来週?何かあるのか?」
「あぁ、俺の大切な人がこっちに来るんだ。
それで、パーティを開こうと思って…」
「なんだ、シュウ…そんな相手がいたのか。
今はいないとか言ってたのはどこのどいつだ。」
口では平静を装いながらも、内心はすごく焦っていた。
美幸との仲が全く進展しない中、実はシュウにそんな相手がいたなんて…
「勘違いすんなよ。
前に話したことがあっただろ?
俺の師匠のカズさんが来るんだ。」
「なんだ、そうなのか…」
以前、シュウに聞いたことがあった。
学校を卒業し、自由気ままに遊んでいた頃、両親を一度に事故で失い、その寂しさや心細さから自棄になっていた時代…
そんな時に、そのカズさんと知り合い、そこからシュウはホストへの道を歩み出したのだと言う。
なんでもすごく男気のある人で、親のように様々なことを教え、気付かせてくれた人だということだった。
「カズさんに出会わなかったら、今の俺はない。
今頃は、世間に顔向け出来ないような人生を送っていたかもしれない。」
シュウはそんなことをしみじみと語っていた。