赤い流れ星3
「日曜は、常連さんを呼ぶつもりなんだ。
KEN-Gや美咲さん、もちろんアッシュやマイケル、ひかりちゃんにも来てもらいたいと思ってる。」

「そうか、ぜひ行かせてもらうよ。」

「ありがとう。
カズさんにあんたのこと、ぜひ紹介したかったんだ。」

「そうか、楽しみだな。」

「あんたがもう少し若かったら、ホストにスカウトされたかもしれないぜ。」

「悪かったな、若くなくて!」

俺達は、顔を見合わせて笑った。



たまに、こんなにのんびりしていて良いのだろうかと思うこともある。
だが、野々村さんや大河内さんと作戦会議をしても、これといって良いアイディアが何も浮かばない。
幸い、純平と美幸の間も特に進展はないようだ。
なんでも、純平は今、新人の指導係として忙しくしているらしく、それでまともに休みも取れないようだ。
純平という男は、明るくもないし話もうまくないし、ホストとしてはそうぱっとするタイプではないのだが、裏方的な仕事をさせると優秀なのだそうだ。
だからこそ、シュウも新人のことを純平に任せているのだろう。
それが、俺達にとって好都合であることをシュウは知らない。



「来た!ついに俺にも運が向いて来たな!」

俺の竿に魚がかかった。
しかも、立て続けに三匹も……



「ほら、言った通りだろ。
最後に勝つのは俺なんだって。」

「時間はまだたっぷりある。
勝負はこれからだ。」

「おまえの負けず嫌いも病気級だな。」

「あんたには負けるよ。」

「いや、シュウの勝ちだ!」

「いいや、カズの方が酷いって!」

俺達は子供じみた言い合いを続け、そして大きな声で笑った。
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