赤い流れ星3




「すっかり遅くなっちゃったね。
でも、すっごく楽しかった。
本当にありがとう、ひかりちゃん。」

「こちらこそ。本当に楽しかった。
何か、喉が枯れちゃった。」

「どこかでお茶でもしていく?」

「う…ん。もうそろそろ帰ろうかな。」

そんな話をしている時だった。



「あ……」

純平君が通りの向こうを見て、小さく頭を下げた。
向こう側にいたのは、私と同じくらいの若い女の子…
変な顔して私達を見てた。



「知ってる人?」

「うん、まぁね…
じゃあ、今日はこのくらいでお開きにしようか。
家まで送ろうか?」

「ううん、大丈夫。
ここから近いし……」

「そう…じゃあ、気をつけてね。」

「うん、純平君もね!」

私達はお互い手を振り、本屋さんの近くで別れた。



今日は本当に楽しかった。
思う存分、デュエット出来たし、アニメの話も出来たし、純平君のプライベートな話も聞けた。



(あぁ、純平君って本当に格好良いな。)



そう考えたはずなのに、私の頭の中にはシュウさんの顔が浮かんでた。
やっぱりシュウさんって格好良い。
見た目だけじゃないくて、やることや、生き方までもが格好良い。
純平君の人生まで変えてしまったんだもんね。
自分は変えられるけど、他人は変えられないって言葉をよく聞く。
だけど、シュウさんは他人を変えてしまった…
すごいよ、やっぱり。


シュウさんのこと、見直したっていうのか…
とにかく、少し見る目が変わったかも。



純平君のこともそう。
純平君って、思ったよりも、苦労人だったんだな…
だからこそ、優しいのかもしれないけど…



それはそうと、さっきの人、誰だったんだろう?
純平君と仲良い人なのかな…ちょっと気になるけど…
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