赤い流れ星3




(どうしよう…)



家に帰って、お風呂に入っても混乱はまだおさまらなかった。



自分の胸だけにおさめているのが苦しくて、野々村さんに言いたいと思うのだけど、純平君にチューされたって報告するのもいかがなものか。
中学生でもあるまいし…と思いつつ、現実の私はきっと中学生並みに動揺してる。



どうしよう、どうしようと悩みに悩んで…
やっぱり誰かに言わないと眠れそうにないし、かといって、直にいうのはやっぱり恥ずかしいから、メールで野々村さんに報告することにした。



ごくさりげない感じで今日のことを書いて、
『なんと、帰りに純平君にチューされてしまいました。』と、ちょっとおどけて書いてみた。
送信ボタンを押す時にまたためらったけど、ええい!と目をつぶって押し込んだ。



どんな返事が来るんだろう?
私にとっては大変なことだったけど、もしかしたら、こんなこと、なんでもないことなのかな?
野々村さんのことだから『良かったですね。』とか…
多分、そんなところだろうな。
そういえば、野々村さんとおじいさんはどのくらい進んでるんだろう?
チューなんてとっくに済ませてる?
まさか、それ以上のことも……??



そんなことを考えたら、なんだか顔が熱くなって来た。
こらっ、変なことを考えるな、美幸!
自分で自分にツッコミを入れて、私はおかしな妄想を頭から吹き飛ばした。


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