赤い流れ星3
帰ろうかどうしようかと考えていると、部屋にノックの音が聞こえた。
シュウが返事をすると、入って来たのは純平だった。



「シュウさん…無事で良かった…
今回のこと、本当にすみませんでした。」

純平は俺達には目もくれず、部屋の入るなりシュウに深く頭を下げた。



「……おまえのせいじゃない。」

「いえ、僕のせいなんです。」

「ち、ちがう、私が悪いの…」

口をはさんだ美幸に、純平はゆっくりと首を振った。



「ひかりちゃんは悪くない。
全部僕が悪いんだ。」

「純平…どういうことなんだ?」

「はい……実は、僕は、ひかりちゃんとお付き合いをしていて、初めてデートをした時、たまたまそれをゆみちゃんに見られてしまったんです。
でも、その時はちょっとまずかったかなって思う程度でした。
だけど、それから、なにかおかしな気がしたんです。
いつも誰かに見られてるような…そんな感じです。
最初は気のせいかと思いましたが、そうじゃなかった。
ひかりちゃんとちょっと遠出をした時…僕はゆみちゃんを見かけました。
きっと、ゆみちゃんはずっと僕のことを監視してたんだと思います。」

「純平君…それ、本当?」

「うん、ひかりちゃんに心配かけたくなくて話さなかったけど…」

純平はそう言って俯いた。



「おまえ、ゆみとも付き合ってたのか?」

「まさか!ゆみちゃんはただのお客さんです。」

「つまり、ゆみがひかりちゃんを逆恨みしたってことなんだな。」

「そうです。」

「……わかった。」

「シュウさん…それで僕の処分は……」

「処分?おまえにはこれといって落ち度はない。
さぁ、もう戻れ。」

「でも……」

「これ以上、お前に用はない。」

シュウの毅然とした態度に、純平もそれ以上何も言わずに退室した。
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