赤い流れ星３

「ひかりちゃん、すまなかったな。」

「い、いえ…私の方こそ、シュウさんに怪我をさせてしまって…」

「それはさっきも言った通り、俺の問題だ。」

「で、でも……」

「すまないが、皆帰ってくれないかな。
しばらく休みたい…」

「え……」



「美幸、帰ろう。」

俺は美幸の腕を取った。



「でも、兄さん…」

「俺達がいたら、シュウはゆっくり休めない。
さぁ、帰るぞ。
シュウ、お大事にな。
また見舞いに来るから。」

「あぁ、ありがとう。」

俺は半ば強制的に美幸をひっぱって部屋を出た。



車を停め、俺は美幸のお気に入りのファミレスに向かった。



＊



「さ、ちょっと遅くなったが、食べようか。」

俺達は昨夜からほとんど何も食べていなかった。
食欲を気にするゆとりもなかった。



「美幸……どうした？」

料理に手をつけようとしない美幸に、俺は声をかけた。



「あんまり食欲がないんだ。」

「お前らしくないことを言うな。
食べられるだけで良いから、なにか食べとけ。」

やはり、シュウのことがかなり大きなショックだったようだ。
純平の話を聞いて、今回の事の真相がはっきりとわかった。
シュウが言った通り、ゆみの逆恨み…ジェラシーがゆえの事件だった。
今回はシュウがかばってくれたから良かったものの、それが間に合わなかったら、美幸が刺されていたかもしれない。
それを思うと、本当にぞっとする。



それにしても、シュウはなぜ自分の身を呈してまで美幸をかばってくれたんだろう？
オーナーとしての行動だったのか？
それとも……